配合論


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   ~配合論~

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ダブルコピー牝馬をニックスで統合する?!

 私、ポンセは出資馬選びの際、まずボトムライン(ファミリーライン、母、母母・・・)を重視します。

 その理由は、心肺機能及び、エネルギーを供給するといわれているミトコンドリアの存在ミトコンドリアはエネルギーを供給するものとして知られています。ミトコンドリアのエネルギー、競馬でいうなら、ゴール前のあと一歩の踏ん張り的なスタミナ、すなわち心肺機能といったところでしょうか。馬は安静時の心拍数は1分間に30~50回で呼吸数は10回ほどです。それが全力疾走時には心拍数220~240回呼吸数は実に100回以上にもなるのです!

 母は歳を取るとこれらの機能は伝わりにくいと言われています。だから母は10歳、(人間でいう35歳くらい)までがいいと、極端ですが思っています。

 そのミトコンドリアは母から娘へは同一ミトコンドリアが永久に、母から息子には一代のみしか伝わりません。オスから仔へはミトコンドリアは伝わらないのです。受精時、精子の尾の部分についているミトコンドリアは悲しいかな、切り落とされてしまい、父から仔へ伝わらない仕組みになっているのです。
したがって、母から母を辿っていけば同一のミトコンドリアが一つの線で繋がるわけです。ファミリーラインの重要性が証明できる理論ではないでしょうか。

 では、この理論を活かす配合法は。。。
なのですが、現在はブラックタイプなるものが存在するので、それを見れば一目瞭然なのですが、私ポンセがハートライン上のクロス配合(以下参照)と同じくらい重要視している配合法があります。それは、名牝の戻し交配です。この配合法こそが上記のファミリーラインをより強調できる手法と考えています。

 それと、これまた競走馬にとって大事な、心臓の大きさを伝えると言われているX染色体の存在。


 X染色体とは、ご存知、性染色体のことで、♂はXY、♀はXXです。

♂(YX) =  父→ Y 染色体 + 母→ X 染色体
♀(XX) =  父→ X 染色体 + 母→ X 染色体

 すなわち、Y染色体は父(XY)のうちの(Y)から息子(XY)へのみ受け継がれるのに対し、X染色体の方は、父(XY)のうちの(X)から娘(XX)へ、そして母(XX)のうちの(X)から息子(XY)および娘(XX)へ、という限られた径路で伝えられるのです。このX染色体伝達径路のことを※ハートラインといいます。
※ハートラインの定義は大きな心臓を伝える祖であるポカホンタス(1837)までのX染色体伝達径路というのが正しいようですが、ここでは全てのX染色体伝達径路という表現で用いています

 なぜ、このX染色体が重要なのか?ですが、
『競走馬は鼻の穴と心臓は大きければ大きいほどいい
の考えに基づいてなのです。

 近年の研究でX染色体が「心臓の大きさ」に関わる遺伝因子を持っていることが分かっています。 

 くどいようですがこのX染色体は父→息子へは伝達されず、父→娘及び、母→息子、母→娘と限られた伝達径路しかありません。(ハートライン(X染色体伝達径路)は私の愛馬の血統表で色分けしていますので参考にしてください。)その心臓の大きさを伝える限られた伝達径路、すなわち、ハートライン(X染色体伝達径路)に着目するのです。

 例えば、ここに1頭の牝馬があるとします。
 この牝馬のハートライン(X染色体伝達径路)上に名繁殖牝馬がクロスされたり、牝駒に活躍馬が偏るサイアーや牝系に入って爆発的な力を発揮するサイアー、即ち、※1フィリーサイアーのクロスがあれば、その牝馬は自身が競走馬として走る可能性が高かったり、繁殖に上がってからいい仔を産む確率が高いと言われています。このような牝馬のことを※2ダブルコピー牝馬(マリアンナ・ホーン女史、X-Factorより)といいます。

 ダブルコピーを理解した結果、あくまで【確率】【可能性】という言葉が強調されます。ここでは【確率】【可能性】をより高める為にハートライン上のフィリーサイアーや名牝のクロスをダブルコピー牝馬の定義とすることを注意としてお断りしておきます。

 【優秀な遺伝子というものはそれとは別に競走馬として悪影響を及ぼす他の要素を同時に伝えることが知られている】
ので、
 当然、インブリードというのはリスクを伴いますが、
ハートライン上のインブリードという手段は血統表から単純に理解する上でも便宜上よろしいですし、実際フィリーサイアーと呼ばれるサイアーたちは結果的にポカホンタスまでのハートラインのルートを複数持っているものです。これらのサイアーをクロスさせることにより、結果的にはホーン女史の定義に近づけるのではないでしょうか。

 エルコンドルパサーの母、サドラーズギャルはハートライン(X染色体伝達径路)にSpecial(Lisadell)3×2を持つダブルコピー牝馬であり、オグリキャップの母、ホワイトナルビーもまた、ハートライン(X染色体伝達径路)にNearco4×5を持つダブルコピー牝馬であるのです。他にも名馬といわれる競走馬の多くにダブルコピー牝馬の存在があることが多いです。(ハートライン(X染色体伝達径路)は私の愛馬の血統表で色分けしていますので参考にしてください。)

 しかし、あまりこの
心臓因子だけに囚われてもいけません。遺伝子の遺伝の仕方は約840万通りもあるし、心臓の大きさ、機能は毛色を伝える遺伝子ほど単純ではないのだから。。。


 あくまで【確率】【可能性】を追求する理論
といえます。<よく走る競走馬>は大きな心臓にそれに見合った機能、連携する肺の機能や酸素運搬能力と関係ある脾臓、筋肉とも関連が深い肝機能、また、無理の無いストライドを生む関節や筋肉、丈夫な骨格。。。あらゆる要素が揃うものです。これらの、特に見えない内蔵の機能は【血統】に頼るしか手段がありません。

 その【血統】に<よく走る競走馬>のヒントが隠されていると信じて追求していきたいと思います。



※1 フィリーサイアー
の解釈は難しく、「牝系向きな種牡馬=フィリーサイアー=母系で影響を大きく与えている種牡馬」と、私は解釈しています。
 Blue Larkspur、War Admiral、Princequillo、Buckpasser や Secretariat。。。これらは共通して、種牡馬としてはメールライン(父・父父・・・)を広げれなかったが、母系に入るやいなや、凄まじい遺伝力を発揮し、サポート血脈として母系にて活躍するといった特徴があります。▼また、大きな心臓を伝える祖であるポカホンタス(1837)へのルート=ハートラインを多く持っているサイアーでもあります。
このようなサイアーのこそをフィリーサイアーととらえています。
 フジキセキのように活躍産駒が牝駒>牡駒というようなサイアーをフィリーサイアーと解釈する場合もありますが、これらのサイアーが将来、BMS内に入れば、上記の定義と同様になると思われます。


※2 ダブルコピー牝馬
の定義はここでは、ここではハートライン上のフィリーサイアーや名牝のクロスを持つ繁殖牝馬のこととして表現しています。
 えびさんが翻訳くださった『Understanding the Power of the X Factor: Patterns of HeartScore and Performance』によれば、父方および母方においてポカホンタスまでのハートラインが多く存在する牝馬の事をダブルコピー牝馬と呼ぶようです。しかもこれまで知らなかったシングルコピーというのもあるそうです。こちらは、父方か母方のどちらか1方のみポカホンタスまでのハートラインが多く存在する場合の牝馬を指すようです。
 ホーン女史の翻訳通りのダブルコピー牝馬ですと、ポカホンタスまでのハートラインの本数を数えるのが困難な事と、また『何本のX染色体伝達径路上に対して、ポカホンタスまでのハートラインが何本あればいい』という定義は不明ですので、ここでは【確率】【可能性】をより高める為にハートライン上のフィリーサイアーや名牝のクロスをダブルコピー牝馬の定義とすることを注意としてお断りしておきます。



 以上の点から母の重要性がわかって頂けたと思います。

 しかし、父の存在も忘れてはいけません。父と母はあくまで50:50の割合で仔へ遺伝されるわけですから。。。

 そこで、すばらしい父とすばらしい母、すなわち、実績のあるSireとダブルコピー牝馬とを結びつける作業を行うのです。

 その手段が本HPタイトルの
Nicks(ニックス)なのです。

 その際に、配合の父こと笠雄二郎先生の
二アリークロスによるニックスや、『ニックスとは納豆と醤油、豆腐と醤油みたいなもの』というような、『元を辿っていけば≪大豆≫という原材料が同じ(大豆ニックス論・・・と勝手に命名^^;)』という、※戻し交配によるニック、等の手法で、父と母とがうまく交配されているか?を解析し、最終的な出資を決めております。


戻し交配(バッククロス)

私が使っている「戻し」の表現は、「戻し交配(バッククロス)」の事なのですが、この表現はサラブレッドにおいて使うのはひょっとして正しくはないかもしれません。
 というのも、本来この「戻し」とは植物で使う事が多く、その定義は、― 親とその子孫の交配 ―の事なのです。例えばその定義どおりの交配をしてしまうと、サラブレッドの場合、「サンデーサイレンスの 1 x 4」というようなあり得ない交配になってしまいます。
 また、サラブレッドの場合兄弟は母を主体に考えるように、「戻し交配」も母で考えなくては成らないと思うのです。
 ですので、サラブレッドにおいては特殊ですが、「戻す」ということでいうと、ボトムライン(母・母・・母母母・・・)において「遺伝を強めるため」に「戻す」と私は解釈しています。
 「牝馬クロス」と混同してしまいがちで、実際、「牝馬クロス」という表現は多く見られますが、「バッククロス」もしくは「戻しクロス」という表現はあまり見かけないので、ひょっとしたら私の間違いかもしれませんね。
 まぁ、「牝系の重要性」や「母の重要性」を謳っているので、私的には「戻し(バッククロス)」はありがたい表現法です。


 このような考え方になってから血統表を眺めるのが楽しくて楽しくて、これもひとえにMふぁんとむ氏のお蔭であり、私の現在の血統論があるのも氏のX染色体ライン上のクロス理論に大きな影響を受けたお蔭です。この場をお借りしてMふぁんとむ氏には厚く御礼申し上げます。

 また、ホーン女史の書を大変な思いで翻訳され、X-Factorの真の意味を教えてくださったえびさんにもこの場をお借りしまして御礼申し上げます。
 
 最後に、≪料理で例えるならば、素材の良さを教えて頂けるのが山野浩一先生、その素材を活かす料理方法を教えて頂けるのが笠雄二郎先生このように日々思っておりますので、この両巨匠にもこの場をお借りしまして、敬意を表したいと思います。


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situmon.gif  2004.2

ポンセ:   
いつもお世話になっております。
今回HPを立ち上げるにあたり、ぜひともMふぁんとむさんの事を取り上げたく思いまして・・・


Mふぁんとむ氏:

ポンセさん こんにちは。
X染色体のこと、取り上げることについては何の問題もありませんが、誤解の無いような記述でお願いします。X染色体上に心臓に関する因子が存在することを見つけたのはどこかの(オーストラリアだったかな?)学者ですし、ハートライン(BMSライン)についても昔から注目されていました。私は、自分なりに統計を取ってそれこそ自分なりにX染色体の重要性を確認したと思っているだけで、何にも新しいことは発見したりしているわけではありません。『X染色体ライン上のクロスで優秀な繁殖牝馬が誕生』することに注目したくらいで、これも理由付けができずに行き詰まっていますし、師匠からは「成功の影で多くの犠牲もある」とたしなめられたくらいです。ということで、迷惑どころか今後の展開が楽しみでさえありますがそういった背景を踏まえて進めていっていただければと思っています。


ポンセ:    

ありがとうございます。
それでは、何点か質問を。
たとえば「母娘クラッシック制覇!」のような場合、これは明らかに母側のX染色体の影響度が強いといえますか?


Mふぁんとむ氏:
難しい質問ですが、単純に言ってしまえばYESだと思います。遺伝の分かっている部分だけでモノを言わせていただければ(ここが誤解を生みやすいのですが)、生体エネルギーを作り出すミトコンドリアとX染色体の相性(あるいは優秀なX染色体の断絶や注入の繰り返し)で優秀な繁殖牝馬が生まれるたり牝系の衰弱が生じていると仮定している理論ですから当然といえば当然な答えです。母(あるいは祖母・曾祖母)で作り上げられた絶妙なバランスを、娘(母・祖母)が崩さずに受け継いだからこその親子制覇だと考えます。このボトムラインとX染色体の関係をより詳細に解明できれば、さらに確率を高られるのではないかと思っています。勿論、ミトコンドリアの優劣なんて分かりませんので、ファミリーナンバーなんて気にしません。コピーエラーもあると思われますし、牝系の近いところだけでの相性みたいなのがあるかもしれないと考えているわけです。それが分かっていない現状では、X染色体ライン上の先祖(ミトコンドリアを除いたボトムラインも含めて)を検証していくことになります。


ポンセ:    
ミトコンドリア自体は、変異しないので、ファミリーナンバーで推測できるのでは?


Mふぁんとむ氏:

ご存知の通りミトコンドリアは母からしか伝わりませんので、理論上はファミリーナンバーが同じなら皆同一ということになりますファミリーナンバーが考えられた当時には競走族とか種牡馬族とか分けられたくらいですから、ある程度特色があったと思われます。現代でもそれぞれ特色があると考える人もいます。ただ、そうすると同じナンバーの馬たちは基礎的能力の特色が同じかといえば、ナンバー1のファミリーなどサンプルが多すぎてスプリンターもいればステーヤーもいて、その上に能力の違いが大きかったりします。長い時間を経過すればコピーエラーも生じて不思議はありませんし、私は牝系を考える時には3~4代の間で考えています。人間で言えばミトコンドリアは『アフリカのイヴ』からしか伝えられていないそうで、全人類同一のミトコンドリアを持っていることになるわけですが、実際はミトコンドリアに変異が起きていて同一ではありません。その変異の過程を辿っていくとイヴに到達するみたいです。サラブレッドでも同様の変異が起きていると考えていいんじゃないかと思われます。


ポンセ:     
なるほど・・・
それでは、そのようなすばらしい遺伝子が母から娘へと受け継がれ、それから息子に(ミトコンドリアではなくX染色体が)受け継がれて種牡馬になった場合(アグネスタキオン、アドマイヤベガ)、先に述べた母娘のすばらしい遺伝子を継げるのは娘だけですよね。このような場合、タキオンやベガは”牝馬向きの種牡馬”といえますか?(まだ産駒が走ってませんが遺伝学的に)


Mふぁんとむ氏:
さらに難しい質問ですね。遺伝学的に、となるとさっぱりです。その範疇でお話しできるほどの知識はありません。下記は妄想とか遊びの中でのこととお考え下さい。種牡馬については、あまりX染色体と結びつけて考えていません。一口選びでも、基本的に新種牡馬はパスして様子を見ます。どれが成功するのか分からないのです。漠然としてる中で考えていることは、成功する種牡馬には大まかに2種類のタイプがいるんじゃないかということ。第一に、既に種牡馬として実績を残している近親がいるような牝系の出の馬、ということ。Sadler's Wellsみたいな感じ。第二に、いわゆる良血とはいわれない牝系の出ではあるけれど父の良さをストレートに受け継いだ馬。サンデーサイレンスが代表。X染色体の優秀さで?種牡馬となった馬が牝馬向きかどうかということですが、繁殖牝馬向きであることは間違いないと思います。牝馬産駒が走るかどうかについては統計をとっていませんので分かりません。で、種牡馬としてのタキオン・ベガを考えますと、祖母→母と2代続いてG1馬となった一族の出となるタキオンよりは、良血であったとはいえないアンティックヴァリュー一族のアドマイヤベガの方に魅力を感じます。とはいえ、どちらの牝系も‘競走馬族’かもしれません。名牝系といわれる中には、この競走馬族だったものも多いのです。スイーブ系とかイットー系(華麗なる一族)から成功した種牡馬が出ませんでした。この競走馬族の特徴は、牝馬の活躍が多い牝系とすることができると思います。競走馬族以外の出でX染色体が優秀で、父の良い面をストレートに受け継いだ馬が種牡馬として成功する確率が高い、という当たり前の結論となります^^;


ポンセ:     
なるほど、どうもありがとうございました。      

2004.2
 

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